予実管理とは?効果的に進めるポイント

予実管理とは、企業の経営数値について予算と実績を管理することです。
改めて予実管理を最適化する必要が生じた場合に、今まで当然のように行ってきていたものでも、何のために行うのか、どんな風に行うのが最適なのか、改めて整理するのが難しいと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、予実管理の目的や概要から、円滑に運用するためのポイントや具体的な方法について解説します。

目次

予実管理とは?定義と目的

予実管理とは、「予定」と「実績」の管理であり、予め売上や費用の見通しや目標を予算という形で計画するとともに、それに対する実績の進捗度を管理するものです。

予実管理を行う、大きな目的の一つは、目標に対する進捗状況を可視化して、目標達成に役立てることです。また、予算に対する進捗度に差異があれば、その原因を分析して、改善するためのアクションを取ることが求められます。

予実管理のポイント

予算目標の設定

予算を立てる上でのポイントは、「目標達成のために何を目指すか明確であること」です。そのためには、全社目標が明確な基準でブレイクダウンされ、部門レベル、部署レベル等、階層毎といった目標となっている必要があります。

実際の企業で計画を行う際は、部門から提出した計画を積み上げたり、経営陣や経営企画からの指示で修正したりと、双方向で練り上げていくこともあるかもしれません。しかし、根拠を曖昧にせず、明確にすることが重要です。

具体的には、経営環境や経営リソースから見て、各部門において適切な難度のチャレンジングな目標となっている、ということです。ある部門では、組織改編で営業人員が減っていたり、関連する生産部門の供給力が減少する等、売上横ばいでも十分チャレンジングかもしれませんし、またある部門は市場環境が追い風のため、非常に高い目標を立てるべきかもしれません。

また、もう一段階進んで、別の軸でも予算を立てることで、経営戦略の実行を行いやすくなります。別の軸とは、例えば商材の軸のようなものです。

今期注力する商品カテゴリーや、高い需要が予測される分野がある場合に、明確な数値目標を掲げることで、売上という結果に結びつけやすくなるかと思います。更に、その目標を部門ごと等に分解して落とし込むことで、各部門がある商品カテゴリーでどの程度の売上を目指すべきか明確になり、目標達成の確度がより高まることが期待されます。これにより、重点分野の売上を伸ばすといった経営戦略の実行を支えることができます。

部門A部門B部門C合計
商材A2,300,0003,000,0008,000,00013,300,000
商材B5,000,0007,000,0003,000,00015,000,000
合計7,300,00010,000,00011,000,00028,300,000
2軸での予算のイメージ

実績の把握

予算を立てた後は、期中における予算の実行に移っていきますが、その際の実績把握のポイントとしては、リアルタイムに進捗状況が分かることです。

なぜなら、予実管理を行う目的の一つは、予算と実績の乖離を、随時改善していくことにあり、実績把握をいつでも行う必要があるからです。

その際のポイントとしては、実績把握のためのデータ収集や集計に、労力がかからないようにすることです。あくまでも実績把握後の、分析、そしてその後のアクションが重要なので、実績把握に時間がかかりすぎると本末転倒です。

そのため、月次・週次・日次で必要とされる情報の粒度を予め決めておき最低限の実績把握に留めるか、または、ITツールを活用し、日々実績登録することで自動的に実績が集計されることで予実管理表が作成され、予実の比較ができる状態にしておく、といったことが考えられます。

予実乖離の改善

もし、予実に乖離があった時は、その原因を分析して、改善を実施していきます。しかし、その具体的な内容、何の数値についての予実か、原因となりえること、は千差万別ですので、もちろん一概には言えません。ただ、原因について仮説があった場合に、それをデータで裏付けできるた方がよいです。理想的には、実績データについて、それを構成する要素を分解して、詳細を把握できる状態になっていることが好ましいです。

具体的な実現手段

これまで見てきた通り、予実管理を効果的に運用するためには、リアルタイムに予算に対する実績の状況が把握でき、かつそのための手間がかからないことが重要でした。また、複数の軸で予実管理できれば、経営目標の達成に活かすことも可能です。そうした条件を満たすには、自ずとエクセル等を使って手動で運用することには限界があり、ITツールを上手く活用していくことが求められます。

では、ITツールを使ってどのように予算管理を行うことができるでしょうか。ノーコード開発ツールのNuAppを使い、営業の予実管理を例に取って、見ていきましょう。

営業予算の管理なので、SFA上で管理を行います。

予算作成

まずは、予算と実績を比較する際の、軸(部署や商品等)についてマスターデータを管理する必要があります。マスターデータとして管理することで、確実に同じものを指し示している、ということが担保されるからです。また、ノーコード基盤であるNuAppであれば、企業独自に管理する軸を増やしていく際にも柔軟にマスターデータの種類を増やすことができます。

次に、作成したマスターデータを元に、期間(通常は会計期間)と比較軸毎の予算データを登録していきます。

実行

続いて、実績データを管理していきますが、例えばここでは、SFA上での案件データの受注済み売上を実績をみなしていく、ということにします。これにより、日々の営業活動で案件状況を管理し、受注済み情報を反映するだけで、自動的に実績情報が積み上がっていきます。また、案件の属性として、比較軸として使う、担当部署や商材の情報も紐づいてくるので、軸ごとの予実比較をするためのデータの上での準備も整っています。

進捗把握

最後に、集計することで比較可能です。例えば、NuAppにも集計分析があるので、軸ごとに、予算と実績の合計をリアルタイムに集計表示するようにして、特別に他の作業を行うことなく、予実の数値を取得することが可能です。

いままでの流れを図示化すると、以下のようになります。

以上のように、ITツールを活用することで、営業を始めとした予実管理を効果的・効率的に実施していくことができ、経営目標の達成に役立てることができます。

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この記事を書いた人

ノーコード開発ツールNuAppを提供するNuFactoryが、ITや経営に関するお役立ち情報を発信しています。
チームにはITの専門家だけでなく、経営のプロである中小企業診断士も在籍し、経営とITの両面の視点をバランス良く盛り込んだ記事をお届けしていきます。

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