ノーコード開発ツールの「NuApp」では、活用ケースとしてラウンド/店舗巡回をご紹介していますが、アプリのテンプレートとしても提供しています。しかし、実際の業務で問題なく運用できるか疑問を持たれる方もいるかもしれません。
この記事では、より複雑な要件が求められる大規模運用(全国で多数の業務を同時に実行するようなケース)を念頭において、NuAppの場合はどのように運用していくことができるかを解説していきます。
大規模運用でのポイント
大規模な運用とは、具体的にはどのような状態でしょうか。
まず、一日に実行する業務の件数が多くなります。例えば、一日に千件以上の訪問を数百人以上の担当者で分担して実施するかもしれません。また、エリア的にも複数の地域に跨がり、ほぼ全国で業務を行うかもしれません。そうなると地域や都道府県毎にエリアを管轄する管理者を置いてエリア毎の業務を管理してもらうこともあるでしょう。
これに伴い、効率的に運用するためにツールに求められるポイントも次のようなものになります。まず、多数の業務計画を1件づつ登録するのは現実的ではないため、一括で効率的に計画データを作成する方法が必要になります。また、件数が非常に多い中でも実行中の進捗管理や実行後の報告の管理をスムーズに行う必要があるので、こうした面もポイントになります。
また、エリア毎の管理者を介在した業務プロセスに対応する必要があります。自社の組織体制や業務プロセスに合わせて、ラウンド/店舗巡回の業務を管理できるような柔軟性が必要になります。
業務計画の効率的な登録
まず、多数の業務計画を一括で登録する方法について解説します。この場合、インポート機能を使います。
インポート機能は、CSVファイルを元に一括でデータを取り込むことができます。また、インポート実行前にプレビュー画面でデータに不備がないか確認できる機能もあります。

実際の運用面では、エクセルに計画情報を書き出して、CSVに出力してからインポート機能で利用する流れになります。このエクセルを作成する段階でアプリ側で必要な情報を全て書き込むと手間がかかってしまいます。NuAppではデータの自動更新機能があるため、CSVには最低限の情報のみを記載し、事前に登録されているマスターデータから必要なデータを紐づけて取得するといったことが可能です。具体的には以下の図のイメージのように、店舗マスターから顧客や支店の情報を取得する流れです。

管理の階層化
次に、エリア毎の管理者を介在するような階層的な業務プロセスに対応する方法について、実現イメージを紹介していきます。
NuAppでは、業務プロセスを図で描画して、実際にその通りに業務を受け渡して実行することができます。これを活用して階層的な業務プロセスを実現してみましょう。
まず、階層化していない状態として以下のプロセスをベースにします。このプロセスには、管理者と実施者のみが登場します。管理者が担当者と日付、店舗の組み合わせを登録して、実施担当者がそれに従って実施した結果を報告する、という流れです。

次に、エリア担当者を追加して以下のように拡張します。エリア担当者という役割の追加に伴い、業務のステップも増えています。この場合、本部管理者が店舗とエリア、実施期日を登録し、該当するエリアの担当者が実際の担当者と日付を計画して更新、実施担当者がそれに従って実施した結果を報告、結果の確認もエリア担当と本部管理者が順次行っています。この業務の流れはあくまで一例ですが、このようにプロセス図を変更することで、登場人物の増えた複雑化した業務プロセスにも柔軟に対応していくことができます。

効率的な進捗管理
多数の業務が同時進行している中でも、問題なく進んでいるのか進捗を管理する必要が出てきます。方法はいくつかありますが、今回は検索機能を活用して、柔軟に条件設定により問題が発生していないか確認するような方法を紹介します。
例えば、実施期日が近づいているにも関わらず担当者のアサインができていないもの、実施日を過ぎているのにステータスが報告済みになっていないもの、等目的に応じてデータを抽出して、それに対して適切な対応を取っていくことができます。

運用していく中で特に多用する条件があれば、最初から条件を設定したリストを準備して、すぐに表示できるようにするのがお勧めです。
結果納品の効率化
ラウンド/店舗巡回業務は実施して終わりではなく、報告が必要になることが多いです。例えば、顧客から受託したラウンド業務についても結果を取りまとめて報告します。業務の件数が多くなってくると、こうした報告業務も効率的に行う必要性が生じてきます。
最終的にどのような形式で報告するかは別として、NuAppでは様々な機能を使った報告資料取りまとめの方法が考えられます。1つ目は、形式としてはシンプルですが、CSV形式でエクスポートして提出する方法です。見栄えが整っているわけではありませんが、必要な情報は全て記載されており、かつ1ファイルに全業務を含むことも可能です。また、報告で写真を使うこともあるかと思いますが、CSVエクスポートでは写真データを出力することはできません。そういった場合には、添付ファイルエクスポートの機能が有効です。検索条件に合致したレコードに登録されているファイルデータについてZIP圧縮して出力できます。また、より整った報告書形式で提出したい場合は、帳票出力機能が役立ちます。事前にレイアウトを作成しておくと、データ毎にPDFファイルを作成して出力できます。また、直接Webアプリにアクセスしてもらい、結果を閲覧してもらう、という共有方法もあります。権限を落としたゲストユーザーを割り当てることで、見せても問題ない範囲のデータにアクセスしてもらうことができます。

今回の記事でご紹介したノーコード開発ツールNuAppでは、ラウンド/店舗巡回用のプリセットアプリも準備されており、自由に拡張もできます。ご興味をお持ちいただけた方は、以下からお問い合わせ下さい。