営業支援ツールのSFAに必要なポイントと言われたら、どのような事を思い浮かべるでしょうか。様々ありますが、特に重要なポイントの一つとしてカスタマイズ性が挙げられます。
SFAはその特性上、自社の営業スタイルに合わせるためのカスタマイズが重要になるのですが、この記事ではその具体的な内容やメリットについて解説致します。
SFAでカスタマイズが重要な理由
SFAでカスタマイズが必要とされる理由をまずは考えていきましょう。
それを考える上で前提となるのは、そもそもSFAを活用する目的は何なのかということです。その目的について端的にいえば、営業上の課題を解決して、最適な営業マネジメントスタイルを確立し、究極的には企業の売上・利益を向上していくこと、とまとめられます。
そのためにSFAに求められることの一つは、営業戦略に沿った営業マネジメントを実行できるような機能を提供することです。例えば、マネジメントに必要なものの一つとして指標(KPI)が挙げられますが、営業目標の進捗状況を把握するためのKPIを可視化することや、そのKPIを算出するために必要なデータを管理する機能もSFAに必要なポイントの一つということになります。
ここまで考えると、SFAにカスタマイズが必要な理由の一端が見えてきます。企業によって営業戦略が異なる以上、マネジメントの具体的内容やKPIも異なってきますし、そうしたKPI等に繋がるデータも異なってきます。
このように企業の経営環境、戦略、マネジメント方法の違いに対応するには、全く同じ機能のSFAだけでは不可能ですので、SFAとしてのコア機能を持ちつつも、柔軟にやりたいことに対応できるカスタマイズ、というのが必須の条件となってきます。

それ以外にも、カスタマイズが必要な理由はあります。当然ですが、企業はそれぞれ業種、業態も違うので、ビジネスモデルも異なりますし、商材や商習慣、法令等によって営業のやり方も異なります。また、同じ業界でも企業ごとにそれまで培われた経験によってやり方も違います。
SFAもまた、そうした違いの影響を受けます。例えば、ビジネスモデルが異なる場合、顧客関係もまた違うものになってきます。例えば、顧客とのリレーションだけでなく、仕入先との関係管理が重要だったり、代理店の管理が重要だったりします。それ以外にも、営業のやり方や進め方が違うと、SFAにおける案件管理の具体的な内容も異なってきます。
このように、企業が能動的に計画する戦略面の要因においても、必然的に影響を受ける業種・業態とった側面においても、SFAがカスタマイズを必要とする要因は多岐に渡ることが分かりました。

何をカスタマイズするか
それでは、カスタマイズが「必要である」ということは分かりましたが、実際のSFAはどうようなことをカスタマイズすることができるのでしょうか。
ここから先は、具体的なSFAツールを例にとり解説していきます。今回は、ノーコード開発で柔軟性の高いSFAツールである「NuApp」を具体例として進めていきます。
まずは、一般論として、どのようなカスタマイズができるか主要な点を説明します。
管理する項目を変更
第一に、管理する項目を変更できます。具体的には、顧客情報として管理する属性を追加したり、案件情報としての管理項目を追加したり、といった変更を加えることができます。
ノーコードツールですので、「+項目を追加」ボタンから追加する項目の種類を選び、項目名や詳細設定を行うだけで、ノンプログラミングで項目の拡張を行えるようになっています。


管理する対象そのものを変更
次に、より大きな機能の拡張と言えますが、そもそも管理すべき対象のデータを追加できます。例えば、「顧客」とは別に「仕入先」を管理対象として追加するような拡張です。
ITシステムにおけるデータベースのテーブルというイメージに近いです。NuAppでは、「モデル」を追加して、管理すべき項目やプロセスを設定することで、管理対象を追加できます。

情報の見え方を変更
営業マネジメントを支えるためのSFAという話を前述しましたが、そういう点では、情報をどう見えるようにするかが重要です。ダッシュボートや必要な情報が抽出されたリストを、マネージャーが必要とする観点に絞って提供することで、現在の営業の状況を即座に把握できるようになります。
NuAppでは、アプリの設定画面で、見せ方に合わせて必要な部品を選んで配置し、その具体的な内容を設定すると、ノンプログラミングでアプリ画面が生成されます。

業務プロセスや自動処理
業務プロセスや自動処理を変更したいケースも生じてきます。例えば、見積もり管理を行う際に承認プロセスを挟みたいと考えるかもしれません。また、自動処理という観点だと、特定のイベントが発生した時に通知を受信したいというニーズがあるかもしれませんし、案件データと売上データを自動連携させるという要件があるかもしれません。こうしたカスタマイズはやや高度なものと言えるかもしれません。ツールによってはあまり得意としていないものもあるでしょう。
NuAppの場合は、プロセス管理によって実現していきます。プロセス図を描画することで業務フローとして承認プロセスのようなものも実現できますし、プロセス内に自動処理を挟むことで、特定のタイミングで通知を送信したり、データ連携を行ったり、といったことも可能になります。

ここまで、やや抽象度の高い機能軸での話をしてきました。業務軸で見たときはどうでしょうか。具体的には、SFAがカバーする業務領域の中で、カスタマイズできる箇所、できない箇所の違いはあるでしょうか。NuAppの場合であれば、原則例外なく全領域をカスタマイズできます。
その具体的な内容や、これまで解説した機能軸の話との関係性を掘り下げるためにも、ここから先は、顧客、案件、活動というSFA/CRMにおいて特に重要な領域のテーマ別に具体的なカスタマイズの例を解説していきます。
顧客管理での例
まず、顧客管理から解説していきます。通常は一般的に必要になる基本属性を管理しています。例えば、法人顧客であれば、企業名、代表者名、資本金、人数規模といったものです。それらとは別に、営業上特に重要な情報を顧客情報の属性として管理したい場合は、項目を追加していくことになります。
例えば、自社との取引状況を管理するため、「新規」や「取引先」といった取引区分や、取引規模を登録することで顧客の重要度を判断しやすくするといったやり方もあります。

また、前述した内容と重複しますが、ビジネスモデルによっては、顧客だけでなく、仕入先や代理店との関係管理が重要になることもあります。
例えば、仕入先とエンドユーザーである顧客の関係性をNuApp上で構築する例を解説します。新しいモデルとして仕入先を作成して、顧客ともリレーションのを持たせるように設定します。この顧客に導入した代理店はどこか、ある代理店が導入した顧客の一覧は、といったことが即座に把握できるようになります。

案件管理での例
案件管理は、企業毎の取り扱い商材やビジネスモデル、営業マネジメント方法等の違いが最も反映される箇所です。
例えば、受注可能性を評価するためBANT条件(※Budget(予算)、Authority(決裁権)、Needs(ニーズ)、Timeframe(導入時期)の頭文字)を確認するようなマネジメントを行うとします。この場合、案件情報の管理項目として、「予算の把握状況」「決裁権限者」「ニーズ内容」「導入時期」等を追加することで、営業担当者はこうした内容を常に意識して商談でヒアリングを行い、マネージャーは案件の有望度を判断しやすくなることが期待できます。
提案活動を行う際、複数の商材や付帯サービスの組み合わせで提案する企業も多く存在します。SFAにおいてもそうした組み合わせを含めて管理をする場合は、「明細」機能が有用です。例えば、提案項目(商材)、単価、数量を管理して、提案価格も同時に管理できます。
更に高度な使い方として、こうした組み合わせが多数に及び、都度入力するのが負荷になるようなケースでは、元々設定しておいた提案パッケージを指定すると、商材の組み合わせがコピーされ、簡単に案件情報を作成することもできます。以下は明細のある案件のイメージです。

活動管理での例
SFAにおける活動は、具体的な営業活動の内容を管理する領域ですが、何をどのように管理すべきか・活用したいかという企業毎の考え方によって変更される自由度の高い部分と言えます。
もう少し具体的に見ていくと、打ち合わせ等の顧客との接点を持つような活動は営業活動上、最重要な活動ですので、管理は必須と言えます。基本はこれを「活動」として管理していくことが多いです。それ以外の営業に関連する業務は、必ずしもSFAの管理対象とはなりませんので、その業務の重要度や、SFA活用の観点から、管理対象に含めるかどうかを決めていくためカスタマイズが必要になります。
例えば、クレーム管理、問い合わせ対応、TODO管理といったものが挙げられます。NuAppで、TODO管理を営業担当者のタスク管理を支援する目的で追加したイメージが以下の通りになります。

また、基本となる顧客接点の活動についても、どう行動すべきか、何を報告すべきかという、具体的な営業のやり方を落とし込む目的でカスタマイズすることが可能です。
例えば、仮説検証のサイクルを重視するのであれば、事前に「ヒアリング予定」を記入し、「ヒアリング結果」を打ち合わせ後に登録するようにします。これにより、意識的に「仮説検証のために確認すべきこと」→「ヒアリングの結果仮説はどう変化したか」を考えさせることを促していきます。また、ただ話をして終わりではなく、打ち合わせ後のアクションを意識させるために、「アクション」項目を追加して、打ち合わせ後のアクションを登録させるようにする、といった使い方も考えられます。

まとめ
- SFAでカスタマイズが必要となる理由は、営業目標達成のための営業マネジメントのやり方に合わせるため、また、業種・業態固有のやり方に対応するため。
- SFAで可能なカスタマイズは、管理項目を追加する、管理対象のデータ自体を追加する、情報の見え方を変更する、業務プロセスを変更する、自動処理を追加するといったことが挙げられる
- 全ての機能(業務分野)でカスタマイズは可能で、例えば、顧客の属性を追加したり、案件管理の手法に合わせて項目追加したり、推奨する営業活動のやり方に合わせて項目追加したりといったことが基本的なケースとして挙げられる
今回の記事でご紹介したNuAppは、柔軟性に強みのあるノーコード開発ツールで、企業のやり方に応じてカスタマイズできるSFAとしてご利用頂けます。ご興味をお持ちいただけた方は、以下からお問い合わせ下さい。