業務の改善や最適化を行い、経営に役立てていこうと考えた際に、具体的にどのようなことから始めればよいのでしょうか。
業務を可視化することは、改善の第一歩として重要です。しかし、可視化すると一言に言っても具体的なやり方は分かりづらい面があります。
この記事では、業務の可視化の考え方から、ツールを活用した具体的な進め方まで解説します。
業務の可視化とは?
業務の可視化とは、業務において実際に行っている内容を、誰の目から見ても分かりやすいように表現することであり、別の言葉を使うと業務の見える化と呼ぶこともあります。
業務の実態を分かりやすく表現し、関連する人の間で共有するためにも、図や表を使うなどして理解しやすい形にする必要があります。
業務可視化のメリットとは?
業務の可視化を行うことには、どのようなメリットがあるでしょうか。
業務改善
業務を可視化することで、その業務が抱える課題や問題点も浮き彫りにすることができます。これにより、発見した課題への解決方法という形で、具体的な改善に繋げることができるため、業務改善を着実に進めることができます。つまり、業務改善を行うための具体的な第一歩として、業務の可視化は有効であると言えます。
標準化・ルール作り
目に見える形で、業務のやり方を表現するということは、業務についての共通理解を作るうえで役に立ちます。業務を可視化することで、今現在どのように業務を行っているかというだけでなく、どうあるべきかという標準的な業務のあり方について確認することができますし、どのようなステップで業務を進めていくか、というルールを伝達する上でも役立ちます。
具体的な手法やポイント
具体的な可視化のアプローチとしては、プロセスとして表現することが有効です。というのも、エクセル等の管理表やシステム管理により、データという側面については普段の業務で利用する必要性もあるため十分整理されている一方、業務プロセスという観点は通常業務では必要性が薄く、整理がされていないことが多いからです。
そのため、誰がいつどのような業務を行っているか、依存関係や前後関係、どのような条件でバリエーションが生まれるのか等、具体的な業務の流れについては、きっちり整理されておらず、暗黙的・属人的に行われているケースもあります。
このため、業務がどのように行われているのか、当事者以外には分かりづらく、また当事者も自分自身がやっていること以外は理解していないこともあり、業務の実態が見えていないことがあります。それゆえ、どのように改善してよいか検討がつかないという状況に陥ることがあり、業務の可視化が必要とされる背景となっています。
プロセスを図示化するための、具体的なやり方としては、フローチャートを用いるのが一般的です。フローチャートは業務の前後関係を表現することに適しており、業務がどのような粒度で分割されているか、誰がどのような業務を担当しているか、どんな条件に基づき場合分けされるか、といった様々な要素を1つのチャート上で簡潔に表現することができます。
業務プロセスをフローチャートで表現するための記法はいくつも存在し、例えばBPMN(Business Process Modeling Notation)のように標準的な仕様も存在します。どの記法にもそれぞれの利点がありますが、同じ書き方で統一する方が好ましいです。前述した通り、業務の可視化は、業務の標準化といった目的のために行われることも多く、その都度別々の記法で描かれてしまうと、業務を跨いだ標準化を図ることもできません。
また、可視化を行っていく具体的な進め方についでですが、該当業務に実際に携わっている担当者が関わった方が良いです。業務の可視化を行った上で、業務改善やルーツ作り等の形で二次活用されていくのであれば、当事者が合意できる業務プロセスが前提となっていなければ、理解や協力が得られないかもしれないからです。
ツールを使った具体的な改善アプローチ
業務を可視化することの目的として業務改善の実現が挙げられます。具体的には、どのように業務改善に役立てることができるのでしょうか。
ツールを活用した考え方として、BPM(ビジネスプロセス管理)をご紹介します。BPMは業務プロセスを描画した上で、実際に実行可能とするツールです。実際に業務を実行する基盤として活用することで、実行状況を分析して、改善ポイントを抽出することができます。
例えば、ノーコードBPMツールのNuAppは、描画ツールを使って業務プロセスを表現することで、実際に表現した通りのフローに基づいてアプリを実行できます。
例えば以下のように、申請後と承認を行う簡単な承認ワークフローを作成します。申請者として申請データを登録すると、承認者の承認待ちリストに加わる、といった動作をします。これは、こういったツールがどのように動作するかを示す基本的なものですが、このように業務をデジタル化するとともに、可視化された状態にすることができます。
デジタル化された業務に対しては、業務改善も取り組み易くなります。
業務改善には実に様々なケースがあるので一概には言えませんが、一例として業務にかかった時間に着目するやり方を実現してみます。業務プロセスをデジタル化することで、業務に関わる様々なデータを記録しやすくなっており、時間も例外ではありません。業務全体のリードタイムだけでなく、個別の作業(タスク)の開始・終了時間も自動計測可能です。
こうして、リードタイムや作業ごとの平均所要時間を分析できるようになったので、例えば、これを業務の種類ごとの傾向として見るとどうでしょうか。特定の業務の場合に、想定外に時間が掛かっていると分かり、その原因を探ると、作業を遅延させている要因が見つかるかもしれません。
既に定量的に時間が計測されているので、こうした遅延の要因を取り除くことによる効果を想定しながら、実際の改善効果と比較しながら業務改善を進めていくことで、データに基づいた確実な改善に結びつけることがやりやすくなります。
このように、ツールを活用した業務可視化をベースに、業務改善に取り組むことが可能です。
今回の記事でご紹介したNuAppにご興味をお持ちの方は、以下よりお問い合わせ下さい。